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虚貌 [book] [雫井脩介]

sample244.JPG雫井脩介/幻冬舎/お薦め度 ★★★★☆  

ガンに冒されていく老刑事は、二十一年前の事件を追う

二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。夫婦は惨殺され、長女は半身不随、長男は顔に大火傷を負う。間もなく、従業員の三人が逮捕された。

主犯格と見なされた荒は無期懲役となり、二十一年後仮釈放となった。あたらな事件はここから始まる。

共犯のひとり坂井田が荒によって刺殺される。凶器は坂井田のナイフだった。

続いて、あの事件の本来の主犯・時山がいかさまマージャンの最中、カモによって鎌で首を落とされる。犯人と見られるカモはどうみても荒ではなかった。

進行性ガンの入院治療中、この事件を知った老刑事・滝中守年は、通称モリさん、これを最後の事件とすることを願い出る。二十一年前に自身も捜査に加わっていたあの事件・・・あの事件にはもう一人犯行に加わっていた少年Aいた。次のターゲットは当時の少年Aか?

服役中の荒宛てに、何度となく励ましの手紙をくれた支援者のアパートから荒と思われる死体が発見される。事件は単なる荒の復讐劇ではなかった。

カメラマンとなった少年A・湯本。湯本の過去を知らずに結婚を考えるモリさんの娘・朱音。朱音の父親が自分の過去を知っている刑事だと知らない湯本。朱音と湯本が結婚を考えている仲だと知らないモリさん。親子の絆をベースにもうひとつの事件も進行する。

姿の見えない犯人、宮部みゆきの「火車」を彷彿させる、ガンと戦いながら犯人を追いつめる老刑事、その結末は!?

2001/10

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