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鬼はもとより [book] [青山文平]

sample1.jpg青山文平/徳間書店/お薦め度 ★★★★

直木賞候補作

藩札掛を命じられたはみ出し者、奥脇抄一郎、いつしか藩札の仕組みに魅入られ、命を賭けるに値するお勤めと心得るようになる。藩の財政が一段とひっ迫するなか、藩札の十割刷り増しを命じられる。藩の経済実態にそぐわない命、抄一郎は版木を持って欠け落ちた。

欠け落ちた先は江戸、万年青を栽培しながら売り歩く浪人、その裏で藩札反行指南を生業にしていた。今でいうフリーのコンサルタント・・・

自藩での失敗を鑑みた新しい仕法は、最初に相談のあった東北の最貧小藩で実施することに決め、実際にこの目で確かめるべく東北へ赴く。

御主法換えを率いる執政、梶原清明と現況の輪郭を掴んだ抄一郎は、いきなり本題に入った。小藩の問題は貧しさゆえの優しさ、責めを問わないし、負わないだった。それを踏まえ四つの仕法を説く。

清明は早速行動を起こす。責めを問わない、負わないの象徴、前筆頭家老、父親、に切腹を命じると共に、自ら鬼となって粛清を断行していく。

果たして抄一郎の指南は実を結ぶのか!?

時代小説には珍しい経済政策の話を軸に、「武士とは死ぬことと見つけたり」を体現した男の物語。

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