星々たち [book] [桜木紫乃]
桜木紫乃/実業之日本社/お薦め度 ★★★★☆
咲子、千春、やや子、母娘三代の物語
シングルマザーの咲子、実家に娘、千春、を預け釧路のスナックで働く。水商売の始まりはススキノ、旭川・・・その都度男が変わる。
娘、千春、も母親同様、奔放な性格を受けつぐ。二度目の結婚で娘、やや子をもうけたものの、育児放棄、家を出る。
道内をさまよう千春・・・奔放な自分題材に詩を書き、それが賞をとる。作家を夢見る千春!?
死期の迫った咲子は男に千春の安否確認を託す。ささやかな手掛かりを頼りに千春に行き着く。そこで男の忘れた「傘」がもとで事故にあう千春。
最終章はやや子。つき合っている男の母親にあうことになるやや子。物事に執着しないやや子が咲子、千春と違う結論を出す件は実に鮮やか!
無駄なものをそぎ取った文章が生みだす桜木ワールドは秀逸!直木賞受賞作「ホテルローヤル」もよかったが本書もそれに劣らない一冊。
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