ジムグリ [book] [飴村行]
飴村行/集英社/お薦め度 ★★★★
飴村流SF小説!?
「トンネルにまいります」、妻からの書き置き、六度目の家でだ。トンネルとは、町の南東にある「虻狗隧道」のことだった。これからあのトンネルに入り、「ヒヨコ」である自分が凶暴な「モグラ」共のなかから妻を探しだすことを思うと博人はうんざりした気分になった。
千数百年もの間、町の片隅にあるトンネルの中だけで生きぬき、独自の文化を築いてきた「モグラ」、その姿が徐々に明らかになる。
トンネルに向か途中でモグラに拉致され、内界へ連れてこられた博人。思わぬことに診断の結果、内界に適合していることが判明、外界亡命することを命令され、亡命することに。
なんとも怪奇幻想的な筋だて。最後の最後に落ちがついた飴村流SF小説の完成!?
追伸:表題の「ジムグリ」とは「自潜り」、飴村造語が次々飛び出す一冊。
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