IN イン [book] [桐野夏生]
桐野夏生/集英社/お薦め度 ★★★★
「OUT」から12年・・・
表題の「IN」、装丁の緑、すべてにおいて「OUT」を意識させる設え、なぜ?
小説家、鈴木タマキは「淫 イン」という作品を書こうとしていた。主人公は緑川未来男が書いた「無垢人」の登場人物、「〇子」。妻と愛人、「〇子」の間で繰り広げられる修羅の日々を描いた作品。タマキは「〇子」がいったい誰なのか、特定するために取材を進める。
緑川、妻、「〇子」の関係と並行して、タマキ自身と「青司」の過去も明らかになる。第三章を除いて、「淫」、「陰」、「因」、「陰」、「姻」、「IN」と物語は進む。
「〇子」はいったい誰なのか?
タマキが緑川の妻・千代子に「〇子」について尋ねるラストはキリノの面目躍如。
それにしても「OUT」を意識させる必要があったのか。キリノの意思ではなく、集英社の販売戦略ではないか・・・!?
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