女信長 [book] [お気に入り作家(国内)]
佐藤賢一/毎日新聞社/お薦め度★★★★
「男だから、男だから、男だから・・・」
そうやって退路を立たれて、心を圧迫され続ければ、積極果敢に生きられるわけがない。止めが必ず幸せにしてほしいと、妻子にまで求められてしまうのだから、これでは失敗できるわけがない。
「女は違う」
自由だ、御長(女信長)は思う。誰かを守らなければならないという、心の枷がないからだ。逆に自分が守られたいと、横着に居直ることさえできるのだ。
(本文152ページより)
女だからこそできる。信長が女だったらこそできる。そんな発想の転換で書かれた一冊。著者一流の史実の辻褄合わせもバッチリと・・・
女を武器にする件はなかなかのもの。一歩間違えばポルノチックになってしまうところだが、しっかり計算されている。昨今、注目の「信長本」の中でも出色の出来ばえ!?
コメント 0