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損料屋喜八郎始末控え [book] [山本一力]

山本一力/文藝春秋/お薦め度 ★★★★

デビュー作、待望の文庫化!

損料屋とは、夏の蚊帳、冬場の炬燵から鍋、釜、布団まで賃貸しする職業。年寄りの生業だというのが通り相場だった。主人公、喜八郎は威勢の失せた年寄りではない。わけありの損料屋。言わば損料屋は仮の姿。

山本一力の巧いところは、連作短編なんだが、時間軸がしっかりしているため、一冊の物語として読ませてしまう。

田沼バブルがはじけた江戸、幕府の借金棒引き政策・棄損令に振り回される札差、板長、棒手振・・・すべての人間が痛みに耐えながら懸命に生きていくさまを描く、一力ワールド。

公的資金の注入、経済失速、デフレ・・・どことなく似ていますね!?

ファンだから言うんじゃないけど、本当に一力は「う・ま・い!」


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