SSブログ

重力ピエロ [book] [伊坂幸太郎]

伊坂幸太郎/新潮社/お薦め度 ★★★★★

なんでこれが直木賞じゃないの!?

三人の父子が連続放火&落書き事件の謎を追う。本書の語り手-―泉水+泉水の弟―春。天才的な絵画の才能の持ち主、彼の出生には秘密が、亡き母がレイプ犯に襲われ生まれた子供+死期を悟りながら強い精神力で平静を保つ父

泉水のもとに春から、「泉水の勤める会社のビルが放火事件に被害にみまわれる」という予言めいた連絡が入る。春の予言どおり放火事件が起きた。春は落書き消しを生業として、落書きの残された現場と放火事件の現場に因果関係があるという。さらに落書きには暗号めいたメッセージが秘められている!?

春、泉水、入院中の安楽イス探偵の父を交え、暗号の謎解きが始まる。

前作を上回る引用の数々。前作「陽気なギャングが地球を回す」では、巻末の[参考・引用文献]で紹介があった文献は十冊。本書の場合は、なんと二十六冊。これらを引用した洒脱な会話に伊坂幸太郎の真骨頂があらわれている。

前作と本書は並行して書かれている。「・・・毎日、ギャングを描いた後にピエロを、と交互に書いていましたので、反動があったのも知れませんね。片方ではユーモア調のクライムを描きたくて、もう片方では僕の好きな”青春小説”を描きたいと思ってやっていました」

また伊坂作品から”仙台”という土地に対する愛着が感じられることについて、「・・・僕自身が住んでいるだけに、ウソがつきやすいんですよ。たとえば、僕が博多を舞台に小説を書いたら、地元の人から”博多はそんな町じゃない”といわれちゃうでしょ。でも仙台だったら何を言われても、わかったうえでウソをついているといえるじゃないですか」

やっぱり、なんでこれが直木賞じゃないの!?


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0