日暮らし [book] [宮部みゆき]
宮部みゆき/講談社/お薦め度 ★★★★★
構成の妙!連作短篇の形をとりながら本編、「日暮らし」へ誘う展開、前作の復習を踏まえ、時間の経過と出演者の生業、心境を紹介するイントロ四編、どちらもいける。「うまい!」、「にくい!」の一言。
前作「ぼんくら」同様、井筒平四郎、養子候補の弓之助、回向院の茂七の手下・政五郎、人間テレコ・おでこ、湊屋総右衛門、佐吉、久兵衛、お徳・・・のレギュラー陣は顕在。
本編は、自由奔放に生きてきた葵が殺された。首にまかれた手ぬぐいで。葵に運命を翻弄された湊屋総右衛門、妻・おふじ、佐吉。昔、幼かった佐吉を連れて、湊屋の世話になっていた時期があった。総右衛門はふたりをメロメロに可愛がり、それが妻・おふじの逆鱗にふれた。そんな事情を知らない佐吉、その佐吉が囚われの身となる。
佐吉の無実をはらすためレギュラー陣総出の真相解明がはじまる。
江戸の人情話を書かせたら、ミヤベは、番付で言えば、東の横綱。ちなみに西の横綱は山本一力。当分番付の変動はないだろう・・・
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