機龍警察 暗黒市場 [book] [月村了衛]
月村了衛/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
シリーズ第三弾
前作「自爆条項」では傭兵、ライザ・ラードナーの「かくして少女はテロリストに!」を別仕立てに。少々退屈ではあったが・・・本書でも傭兵、ユーリ・オズロフの過去を別仕立てにしているが、前作と大きく違がうのは伏線と捻り。
「暗黒市場」、ブラックマーケット、壊滅作戦のため潜伏捜査を引き受けるオズロフ。警視庁から契約破棄をされ、手を組む相手はロシアン・マフィアのゾロトフ。警察官の息子・オズロフ、ヴォル、ならず者集団、の息子・ゾロトフ。ふたりの間には浅からぬ因縁があった。
新型機甲兵装の入札に参加するオズロフだが、化けの皮をはがされ、自力で戦いに臨むことになる。その一方でオズロフが陥れられた事件の全貌が次第に明らかになってゆく。そこにはロシアの政治に翻弄されながら真の警察官を貫いたひとりの男との絆が生きていた。
第三弾にしてシリーズ最高傑作!?本年度ベスト3間違いなしの警察小説・・・
機龍警察 自爆条項 [book] [月村了衛]
月村了衛/早川書房/お薦め度 ★★★★
シリーズ第二弾
シリーズ第二弾にして、いきなり文庫からハードカバーへ。
警視庁特捜部、龍機兵搭乗要員、傭兵、ライザ・ラードナ警部物語!
四章の内二つをライザの過去に費やし、現在起きている事件が過去からのつながりを持つというプロット。第一作同様、有人兵器・機甲兵装は至近未来のものだが、人間ドラマがテーマのワイルドワイド、IRA、イギリス、中国、外務省・・・、な警察小説。
当然次作も用意されているのだろうが、物語全体のスピード感を大事にしてほしい。わたし的には期待を裏切ってくれた第二弾、ストーリー、だった。
機龍警察 [book] [月村了衛]
月村了衛/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
至近未来警察小説
普段なら手にすることのない早川文庫JA
最新の二足歩行型有人兵器、龍機兵・ドラグーン、を有する警視庁特捜部、三人の傭兵と契約したことがより大きな組織内の軋轢を生むことに。
その軋轢は密造機甲兵装によるテロで更に大きなものへ変質する。
舞台は近未来、機甲兵装という新しい兵器を登場させてはいるが、警察内部における抗争、特捜部対SAT、を背景に組織内の巨大な闇を描いた警察小説。
デビュー作としては及第点。次作への布石もあり愉しみにしたいシリーズ!?