太宰治の辞書 [book] [北村薫]
北村薫/新潮社/お薦め度 ★★★★
シリーズ第六弾
前作「朝霧」は1998年刊行、あれから17年、最新刊を手にするとは思わなかった・・・
出版社の編集者として社会人生活をスタートさせた前作、本書では相方と中学生の息子を育てながら編集者を続けている<私>がいる。
前作までのシリーズでは日常の些細な謎解きが中心だったが、本書では<私>の本に対する探究が3編収録されている。
芥川の「舞踏会」の花火、太宰の「女生徒」の”ロココ料理”、太宰の辞書・・・加えて朔太郎の詩、と<私>の探究は留まることを知らない。
「太宰治の辞書」では<円紫さん>とのやり取りに触発され件は前作までのシリーズを踏襲。うれしい限りです。
確かに太宰が使っていた「辞書」を探すことと、太宰考察としての「辞書」というふたつの意味をかけているようにわたしには思えますが・・・
<円紫さん>シリーズのファンにとってはたまらない一冊!
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