凍える墓 [book] [~'23海外編]
ハンナ・ケント/集英社/お薦め度 ★★★★
アイスランド最後の死刑囚
1829年、アイスランド。日本は文政12年、シーボルト事件の翌年。
2人の男、農場主であり薬草商と未決の罪人、を殺したとして、男1人と女2人が死刑を言い渡される。行政長官の命により、行政官でもあり農場主の農場に死刑囚の女1名、アグネス、が死刑執行の期日まで預けられる。
農場には行政官とその妻、2人の娘、使用人が暮らしている。
アグネスのもとには若い牧師補が使わされ、その日が来るまで神への信仰を説くことになっていた。
一家にも牧師補にも心を閉ざすアグネスだったが、長女ステイナ、妻マルグレットの真摯な態度に少しづつ自身の生い立ちを語り始める・・・
死刑執行が近づく中、殺人事件の全貌は明かされる。そこには時代を、運命を背負って生きた悲しい女の物語があった。
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