連城三紀彦/講談社/お薦め度 ★★★★☆
五編収録の短編集
大正末期から昭和初期にかけて、浪漫漂う男と女の濃厚?な物語。
表題の「戻り川心中」、二度の心中事件を起こす天才歌人の話。一度めは二人とも助かり、二度めは相手方の女だけ死に至る。その数日後、本人は喉をかき切って自殺。二度の心中を題材にした和歌と歌人の行動を丹念にたどることで歌人の謎の思いを探る。
読了後も鮮烈なイメージが残るのは「桐の棺」。やくざものとその舎弟、兄貴分の未亡人が織りなす濃厚な物語。刑務所のラストシーン、未亡人に面会に行く舎弟、で金網越しにあてた舎弟の手が何とも衝撃的!
「美と騙しの魔術師」そのものの一冊。
2014-12-08 09:34
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