凍氷 [book] [ジェイムズ・トンプソン]
ジェイムズ・トンプソン/集英社/お薦め度 ★★★★
フィンランド・ミステリー
前作「極夜」はなかなかの秀作、本書はそれに続くシリーズ第二弾
ヘルシンキ警察へ異動となったカリ、前作で流産をし、また妊娠、臨月を迎える妻、ケイト。夫は新組織で力を試され、妻は出産休暇中・・・
カリが受け持つ事件は2つ、ひとつは建設会社社長の妻が拷問?を受け殺された事件。もうひとつは国家警察長官からの直命で、旧公安警察の元職員が戦時中、捕虜収容所で大量虐殺にかかわったとして、ドイツから引き渡しを求めれられいる件。これに関してはカリの祖父も同時期、元職員と一緒に収容所に居たという。
北欧ミステリーの特徴のひとつでもある主人公の私生活が必要以上に語られる件は本書でも健在。ケイトの弟と妹がアメリカから訪ねてくる。フィンランドとアメリカの文化を対比させながらフィンランドの風習、考え方を語るところは実に興味深い。
殺人事件と元職員と祖父の件が結末で交差するのだが、その交わり方がダイナミック過ぎ、万人の予想をはるかに超えてしまう!?
次作への伏線も含め、シリーズ第三弾を期待したい。
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