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永遠の0 [book] [番外編]

sample1.jpg百田尚樹/講談社/お薦め度 ★★★★

デビュー作にして大ベストセラー

遅まきながら・・・2006年刊行、2009年文庫化、300万部の大ベストセラー。出版不況と言われるくらい本離れが激しい時代、10万部売れればベストセラー、前回直木賞受賞作の桜木紫乃/「ホテルローヤル」は50万部の大ベストセラー。それにしても300万という数字が如何に凄いか・・・

元特攻隊の祖父探しの旅、孫の姉弟が母親になり替わり・・・祖母は祖父のことを語らず亡くなる。今の祖父は祖母の二番目の夫。

厳然たる史実、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦、をベースに、戦友会の年老いた証人をひとりひとりあたる姉弟。そこで判明する祖父の人間性、飛行機乗りとしては天才だが、臆病者・・・違和感を覚えながら旅は続く。

愛する妻子のため必ず帰ると約束した祖父がなぜ終戦間近に特攻で亡くなったのか?

物語的には最後に驚愕?の事実が判明するわけだが、膨大な資料を読み解いた百田尚樹の大東亜戦争に対する「重い」思いが窺える。その一端を窺わせる場面とは、少々ながくなるが、

「・・・私はあの戦争を引き起こしたのは、新聞社だと思っている。日露戦争が終わって、ポーツマス講和会議が開かれたが、講和条約をめぐって、多くの新聞社が怒りを表明した。こんな条件が呑めるかと、紙面を使って論陣を張った。国民の多くは新聞社に煽られ、全国各地で反政府運動が起こった。日比谷公会堂が焼き討ちされ、講和条約を結んだ小村寿太郎も国民的な非難を浴びた。反戦を主張したのは徳富蘇峰の国民新聞くらいだった。その国民新聞もまた焼き討ちされた・・・戦前大本営発表をそのまま流し、毎日、戦意高揚記事を書きまくった。戦後、日本をアメリカのGHQが支配すると、今度はGHQの命じるままに、民主主義万歳の記事を書きまくり、戦前の日本がいかに愚かな国だったかを書きまくった。まるで国民全部が無知蒙昧だったという書き方だった。自分こそが正義と信じ、民衆を見下す態度は吐き気がする・・・」

でも、なぜ、本書が大ベストセラーなの?わたしにはよくわからない。歴史ミステリー?として読み解くことしか・・・

大東亜戦争に関するの名著のひとつ、「失敗の本質」/中公文庫、もぜひ一読あれ!


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