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蜩ノ記 [book] [葉室麟]

sample2.jpg葉室麟/祥伝社/お薦め度 ★★★★☆

直木賞受賞作

檀野庄三郎、些細な喧嘩がもとで刀を抜き相手を傷つけ、本来なら切腹だが、家老の密命を受け戸田秋谷のもとへ遣わされる。秋谷は元郡奉行、前藩主の側室との密通のかどで幽閉、十年後に切腹、その間、藩の家譜編さんを仰せつかっていた。

秋谷一家は、妻、長女・薫、長男・郁太郎、四人。庄三郎の密命とは、編さんの手伝い、監視、密通の真相究明。

秋谷の清廉さ、一家の温かさにふれることで庄三郎は秋谷の無実を確信するようになる。

藤沢周平の「蝉しぐれ」を彷彿させる秋谷と側室とのプラトニックな関係、郁太郎と源吉の友情、庄三郎と薫の恋物語と盛りだくさん。

直木賞受賞にふさわしい一冊。巻末の秋谷への和尚のひとこと、「未練がないと申すは、この世に残る者の心を気づこうてはおらぬと言っているに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう」が響く。

追伸:すでに映画化が決定、キャストは、主人公の秋谷・役所広司、庄三郎・岡田准一、薫・堀北真希、側室・原田美枝子。


タグ:直木賞
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