赤く微笑む春 [book] [ヨハン・テオリン]
ヨハン・テオリン/早川書房/お薦め度 ★★★★
エーランド島・シリーズ第三弾
エーランド島に暮らし始めるペール。疎遠な父から別荘へ迎えに来るようにと電話が入る。しぶしぶ出向くペール。そこで待っていたのは腹に傷を負った父と別荘の火災。焼け跡から腕を縛られた男女の死体が・・・
こう書いてしまうと物語の進展が明確に見えそうだが、そうはならない。ペールの隣人たち、ペールの娘の病気、元船長と亡き妻の日記・・・ジェットコースターではなく、「淡々」と綴られる物語が春のエーランド島と相まって気持ち良いテンポを生み出す。
事件の真相は気持ち良いテンポとは裏腹に、ハッピーエンドではない。スウェーデンのセックス産業が引き起こした悲劇。
次作がシリーズ完結編のようだ。
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