写楽 閉じた国の幻 [book] [~'23 国内編]
島田荘司/新潮社/お薦め度 ★★★★
構想20年の超大作
2011年版「このミス・・・」国内編第二位。
写楽別人説。10か月の間に140数点の錦絵を残した謎の絵師・写楽。阿波の能役者・斎藤十郎兵衛だとする説を著者独自の視点で謎解きをする超大作。
ポイント1は、無名絵師の錦絵を老舗出版社・蔦屋が最高の摺りである「黒雲母摺」でなぜ売り出したのか?たしかに蔦屋重三郎の眼力があったにせよいきなりはないだろう、と。しかも10か月の後半に行けばいくほど作品の質が明らかに落ちていく。
ポイント2は、蔦屋が育てた大絵師・歌麿が残した恨み辛み。
600頁を超える超大作ですが、謎解きに魅せられる一冊。
追伸:導入部の100頁、六本木の回転扉の事故は意味がありませんね。
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