絆回廊 新宿鮫Ⅹ [book] [大沢在昌]
大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★
シリーズ第十弾
「新宿鮫」シリーズ第一作の刊行は1990年、20年でシリーズ第十作、最新刊の本書はなんと5年ぶり
鮫島の歳のとり方に比較すると、著者・大沢在昌の歳の取り方のほうが圧倒的に早い。「新宿鮫」はこの十年で前作「狼花」と本書の2冊だけ。本文316頁には、「昔のお前なら、それが誰であろうと、警官の命を守るためなら、つっぱったのじゃないか」・・・あんたは新宿鮫なんだぜ、鮫島らしくない感傷的なシーンもみられる。
本シリーズのもうひとつの柱は「鮫島」と「晶」の関係、本書ではサイドストーリーとして頁を割いている。ファンとしてはうれしい限り!
表題の通り、たくさんの「絆」、絆というより「しがらみ」、が出てくる。親子、上司、身代わり人、同胞・・・それを一冊に凝縮させる筆致は相変わらず。本件はすべて解決したように見えるが、キーパーソンが最後に姿を消してしまう。これは次作への伏線!?
何年後にこの続きを読めるかわからないが、気長に待ちたいものです。
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