湖は飢えて煙る [book]

ブライアン・グルーリー/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

ＭＷＡ賞処女長篇賞ノミネート作

「このミス・・・」海外篇１９位、ちょっと評価が低すぎませんか！？

１０年前に事故死したアイスホッケー・コーチの乗っていたはずのスノーモービルが当初と違う湖で発見される。

地方紙の記者をしているガス、彼もコーチからアイスホッケーの手ほどきを受けたひとりだった。州の決勝戦まで勝ち進み、自分のミスで敗れてしまった。

ある記事がもとで第一線の記者から脱落、訴訟問題を抱えるガス。アイスホッケー選手としての栄光をつかみ損ねたガス。ふたつの挫折と事件が交錯しながら物語は進む。

町民は誰も事件を蒸し返して欲しいとは思っていない。

５００頁超の大作だが一気読みさせる筆致はすばらしい。２０１０年アンソニー賞、バリー賞ペイパーバック賞受賞作にふさわしい一冊。