鷺と雪 [book] [北村薫]
北村薫/文藝春秋/お薦め度 ★★★★
シリーズ第三弾
大御所なのに直木賞を受賞していない作家のひとり。本書で直木賞がとれるかもしれない(わたしの大胆予測)!?
連作短編集、三編収録されている。表題の「鷺と雪」が実にいい。時は昭和十一年ニ月二六日。
主人公の英子と別宮(ベッキー)が日常の中で起こる謎を解き明かすシリーズだが、時代背景が大きな鍵を握っている。シリーズ第一弾「街の灯」は昭和七年、第二弾「玻璃の天」は昭和八年、本書は昭和十年、十一年。日本が戦争に突き進もうとしている中で起こる日常の事件だということ。
その最たる短編が「鷺と雪」。
ベッキーが英子に語るひと言がすべてを象徴している「・・・何事もお出来になるのはお嬢様なのです。明日の日を生きるお嬢様方なのです」
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