おそろし [book] [宮部みゆき]
宮部みゆき/角川書店/お薦め度 ★★★★
宮部みゆき最新刊!
「百物語」とは百人がひとところに集まって、一人ひとつずつ不思議な話をして、ひとつ終えたら百本の蝋燭をひとつ消して、全部語り終えるとお化けが出るという昔流行った趣向。
本書は「変調百物語」。仕組んだのは三島屋の叔父夫婦、聞き手はひとり、わけあって叔父のもとに預けられた姪のおちか。ある事件で心を閉ざしたおちか、不思議な話が心の殻を一枚づつはがし、複雑に絡んだ真相が明らかになる。
おちかの閉ざしたこころを解き放つための不思議な話と事件、よくよく出来たプロット、さすがミヤベというしかありません。「おそろし」という表題より「かなし」といった物語でしょうか!?
次回紹介する、輪渡颯介「百物語」といい、今年の夏は百物語から目が離せません。
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