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楽園 [book] [宮部みゆき]

宮部みゆき/文藝春秋/お薦め度 ★★★ 

「模倣犯」から9年

全編を通じ「どんよりと曇った」、憂鬱な空気が流れている

9年前の事件、「模倣犯」、を引きずったままのライター・前畑滋子のもとへ、奇妙な依頼が舞い込む。12歳でなくなった息子が書いた絵が、15年間床下に娘を隠したまま時効を迎えた事件を示唆しているのではないか、と。

15年前の事件にのめり込み形になった滋子のもとに、更に、、殺された姉のことをもっと知りたいと妹からも依頼をうけるはめになる。

ふたりの依頼者からの調査は淡々と進む。殺人事件を起こした土井崎夫婦、弟夫婦、殺害された姉の同級生らの証言から明らかになる事実。物語はクライマックスを向かえる。

「どんよりと曇った」と言ったのは、大きなうねりもないまま、事件が終わったことを指している。やはり9年前の滋子に起因しているのだろうか?

ミヤベは滋子を主人公にもう一冊書くべきかもしれない。ファンなればこそ厳しい評価をつけてしまう・・・


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