真夜中の青い彼方 [book] [~'23海外編]
ジョナサン・キング/文藝春秋/お薦め度★★★★
2003年MWA賞最優秀処女長篇賞受賞
主人公は、年齢に似合わない隠遁生活をエヴァーグレーズの奥地で送る、元フィラデルフィア市警察官、マックス・フリーマン。物語はフリーマンがカヌーで遊弋していた川で、幼児の遺体を発見することから始まる。
自身の関与を疑われたことから、ひとり捜査に乗り出す。そんな矢先、またひとり幼児の行方不明者があらわれる。
確かにハードボイルド作品なのだが、野生人フリーマンと対照的な友人、切れ者弁護士でもある、ビリー・マンチェスターを登場させ、ふたりでタッグを組む。指令基地はマンチェスターのコンドミニアムというのも不思議。
後半はフリーマンの不死身の活劇。活劇の素地をつくったフィラデルフィア。フィラデルフィアといえばフィラディフィア美術館、あのロッキー・バルボアが駆けあがり、全世界に向かって拳を突き上げた大階段。読み進むうちにフリーマンはしっかりシルベスター・スタローンにかわっていた。
すでにシリーズ化されているようなので、第二弾も期待したい。
追伸:エヴァーグレーズ国立公園を舞台にした名作、「エヴァーグレーズに消える」/T・J・マグレガー/早川書房、も一読あれ!
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