蜘蛛の巣の中へ [book] [トマス・H・クック]
トマス・H・クック/文藝春秋/お薦め度★★★★
2005年MWA賞最優秀ペイパーバック賞ノミネート作品
主人公、ロイ・スレーター、寄宿舎学校の教員、生まれ故郷キンダム・シティへ父親を看取るため二十数年ぶりに帰ってきた。いまでも弟がガールフレンドの両親を撃ち殺し、留置場で首を吊ったとはとうてい信じられなかった。
否応なしに、弟の事件に首を突っ込むことになる。ロイを疑った元保安官、その跡を継いだ息子、かっての恋人・ライラ、何かが燻ぶり続けている父親・・・二十数年前の事件がロイの周りを目まぐるしく回る。
結果として復讐劇の様相を呈してしまったが、その重苦しさを救ってくれたのは、相容れなかった父とロイの和解。
トマス・H・クックらしい色合いの物語。
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