深追い [book] [横山秀夫]
横山秀夫/実業之日本社/お薦め度★★★★
表題のつけ方の上手さでは定評のある著者。その代表例はなんといっても「半落ち」。本書も上手い表題だ。
交通課事故係主任、秋葉巡査部長、32歳。交通事故で死亡した男の手帳にはさまっていたスナップ写真。そこに写っていた女、17年前秋葉が心を通わせた高田明子だった。しかも事故現場に落ちていたポケベル、ディスプレーに表示されたメッセージ、「コンヤハ オサシミ デス」
通夜。明子は死んだ夫に「コンヤハ カレー デス」とメッセージを発信し続けている。
さすが短編の名手、数ページでこれだけのプロットを作ってしまう。
明子への想いと事件の捜査、秋葉の心はゆれる。
携帯電話の陰に隠れ死滅したポケベルを小道具に、短編の名手が用意した結末とはいかに!?
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