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死神の精度 [book] [伊坂幸太郎]

伊坂幸太郎/文芸春秋/お薦め度★★★★

私たち死神は、自殺や病死には関与していない。たとえば、「不意に車に轢かれて」であるとか、「突然現れたと通り魔に刺されて」であるとか、「山の噴火で、家が押し潰されて」であるとか、そういった死については私たちが実行しているのだが、それ以外のものとは関係がない。だから、進行していく病や、自らの罪によってもたらされる極刑や、借金苦からの自殺などは、「死神」とは無関係なのだ。自分たちが時折、「癌という死神に蝕まれて」などというレトリックを使うと、「一緒にしないでくれ」と私たちは憤りを感じる。

六篇収められている本書、短編だが伊坂幸太郎のセンスを随所に感じさせる。

自分の孫と面と向かって会いたくないのでお客を呼んでこさせたり、殺人を犯し逃亡中、トラウマがもとで、誘拐犯と違えてぼこぼこにしたり、と。

淡々とした筆の運びだが、いつしか伊坂ワールドへ!


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コメント 1

トラキチ

bookmanさん、はじめまして♪
活字中毒日記のトラキチです。
伊坂さん、大人気ですね。
次回の直木賞は大本命だと思っております。

ランキングの投票も行ってます。
機会があれば是非覗いてください。
by トラキチ (2005-08-01 23:36) 

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