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孤宿の人 [book] [宮部みゆき]

宮部みゆき/新人物往来社/お薦め度★★★★★

「ほう」阿呆のほう。「方」方角のほう。「宝」お宝のほう。

金毘羅詣でにかこつけて捨てられた少女・ほう。丸亀藩にながされてきた罪人・加賀殿。悪霊と恐れられた男と下女として送り込まれた少女の魂の触れ合い。その一方で丸亀藩に渦巻く跡目争い。二本の糸はいつしか絡み合いながらひとつになっていく。

「妖怪」とよばれた鳥居耀蔵だが、丸亀時代のエピソードがある。 最初は耀蔵に関わることを恐れ近づく者とてなかったが、耀蔵は学問だけでなく医学の心得があったため月日がたつにつれ診療に訪れるものがだんだん増えたようである。耀蔵の幽居中、診察者の数は3800人を超えたと言われる。 「妖怪」といわれた陰険無残な男の意外な一面を見る思いがする。

実在の人物をモデルとして書かれたようだが、主人公「ほう」の一途な、けな気な思いが、物語を心温かなものにする。

ミヤベの時代劇、さすがに巧い!!!


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