片想い [book] [東野圭吾]
東野圭吾/文藝春秋/お薦め度 ★★★☆☆
帝都大アメフト部のQBだった西脇は、年一回開催される例会の後、十年ぶりにかっての女子マネージャー・日浦に再会した。十年間の空白を埋める会話の中で、ある「秘密」が告白される。「オレは男だったんだ。ずっと前から、おたくらと会うより、もっと昔から」
日浦はずっと性同一性障害の悩みを抱えていたのだった。(性同一障害とは、身体的には男性だが「男性であること」に強い違和感を感じたり、逆に身体的に女性だが「女性」に違和感を感じる」こと)。もうひとつのある「秘密」も告白される。人を殺し、たぶん追われることになるだろうと・・・
日浦をかくまうことを主張したのはかっての同僚マネージャー、今は西脇の妻である、理沙子だった。事件解決に奔走する西脇、理沙子。それにかってのアメフト部同僚、性同一障害者がからみ、事件はおもわぬ方向へ展開する。本書のタイトル「片想い」が事件の本質を握る。
「秘密」、「白夜行」に続く長編ミステリー(何部作になるか分からないが・・・)。個人的には前作、前々作の方が気に入っているが・・・
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