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半落ち [book] [横山秀夫]

横山秀夫/講談社/お薦め度 ★★★★☆

梶聡一郎。四十九歳。教官。生真面目。息子の死。妻の病苦。扼殺。二日間の空白。自首・・・妻を殺害後、梶聡一郎はなぜ死を選ばなかったのか。

「奥さんを殺した後、あなたが自首するまでに丸二日間ありました。その間、あなたはどこで何をしていたのですか」
梶の唇は閉じられたままだった。梶聡一郎は「半落ち」---。

指導官、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官。六人がそれぞれの立場から梶聡一郎の空白を埋めるべく物語りは進行する。

「人生五十年」と書かれた書。新宿歌舞伎町。ふたつのキイワードが行き着く先は?

最後の結末はしっかり泣かせてくれる。梶の生真面目な人生を映すように・・・警察小説に新風を吹く込む著者。これからも期待したいひとりだ。


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