約定 [book] [青山文平]
青山文平/新潮社/お薦め度 ★★★★
六編収録の短編集
六編のなかに昨年、「このミス・・・」で国内編4位となった「半席」の一編が収録されている。
表題の「約定」、果たし合いの約定を指す。21年前、父親、望月三郎が武士の一分が立たないということで腹をめした。その息子、清心郎も果たし合いの装束で父と同じように腹をめす。
望月三郎の死は名族、望月氏の末裔であることを疑われたことで武士の気骨を示すためのものだった。息子、清志郎はなぜ果たし合いをすぐに申し込まなかったのか?清志郎が果たし合いを申し込んだのは父の死から十八年後・・・
果たし合いを申し込まれた野添信一郎と清志郎は竹馬の友、果たし合いの期日を三年前に約定した。しかし、清心郎の前に真一郎は現れなかった。なぜ?
お互いに「慮る」ことから起こった事件!?「かけおちる」と同様に慮るがキーワード。
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