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HHhH [book] [~'23海外編]

sample1.jpgローラン・ビネ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

プラハ1942年

2014年「週刊文春 傑作ミステリーベスト10」、海外編第9位、タイトルからして気になっていた一冊。

タイトルの「HHhH」とは、「ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ」のドイツ語の頭文字をとったもの。ハイドリヒの上司はヒムラー、上司の意向に沿って有能に働いていたことをゲーリングが揶揄したひとこと。

1942年5月27日に起きた「類人猿作戦」(ハイドリヒ暗殺計画)を史実に忠実に書き記したものなのだが、随所に著者が登場しもの申すユニークな構成になっている。

史実の積み重ねだから物語ではない。さりとて歴史書かと言えばそうでもない。巻末の地下納骨堂での出来ごとを2008年の著者が語る件は、現在から過去を俯瞰する本書の真骨頂!?

東京創元社さん、文庫でたくさんの人に読んでもらうべきったのではないですか・・・


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