夜の真義を [book] [~'23海外編]
マイケル・コックス/文藝春秋/お薦め度 ★★★★
600頁の超大作!?
英国出版史上屈指の高額43万ポンド(5,500万円)で落札された処女小説
「怨念は長く記憶される」という復讐劇。母の遺品から自分はタンザー男爵の嫡子であるかもしれないことを知り、弁護士事務所の裏仕事と一緒に証拠を探し始めるエドワード。
その過程で次々と起こる事件、その陰で見え隠れするドーント、エドワードをイートン校から追放させた相手、の存在。証拠はエドワードがタンザー男爵の跡取りであることを示すが、ドーンが跡取りに指名されるに至り復讐を心に決める。
物語はシンプルな復讐劇だが、証拠集め、恋物語、裏切り、往復書簡・・・と、しっかり読ませる。
不条理の積み重ねという意味では「レ・ミゼラブル」的、「忠臣蔵」的なのだが、途中経過はエドワードに対して疑心暗鬼的な部分が多く、単純な復讐といいきれない部分がある。
みなさんにはお薦めしにくい一冊、価格も、だがロバート・ゴダードのファンには楽しんでいただけるはず!?
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