午前零時のフーガ [book]

レジナルド・ヒル/早川書房/お薦め度 ★★★★

シリーズ第二十二弾

前々作「ダルジールの死」で九死に一生を得たダルジール警視、本調子に程遠い状況が続いているようだ。

事件というべきものではないが、ちょっとした知り合い、警視長、から失踪した元警部について調べてほしいと頼まれる。警視長は元警部の妻と再婚するつもりだ、と。

レストランでの事情聴取、会話を盗聴する人物、更にサポートの部下を見張る男女・・・いきなり複雑な展開模様。

更に「ボス」の異名を持つ実業家と国会議員の息子、多額の政党寄付金と素行を嗅ぎまわる新聞記者。失踪した元警部と親子の過去のスキャンダルがどうつながるのか・・・重層的な展開が読者を愉しませてくれる。久々の活躍のダルジール＆バスコー。