愚か者の祈り [book] [~'23海外編]
ヒラリー・ウォー/東京創元社/お薦め度★★★★
1954年の作品だったので邦訳が出ていたのかな、と思っていたのですが、本書が初版でした。昨年末の「なんとかベスト10」にランク・インされていたので、慌ててここに紹介する次第です。
顔を潰された女性の死体、頭蓋骨から顔の復元を試みる老獪なダナハー警部と部下のマロイ刑事。
復元された生前の顔が導き出したものは、高校を卒業、芸能界を夢見、ニューヨークへ向かったひとりの少女。故郷をはなれてからの五年間、彼女に何が起こったのか、空白を埋めるべく地道な捜査が始まる。
ダナハーとマロイ、ふたりの関係が実におもしろい。老獪、独善的なダナハー、一方、正論をぶつけ、ことごとく撥ね返されながらも前に進むマロイ。マロイの若さが事件の突破口となる。
古さを感じさせない秀作の「警察小説」、一読あれ!
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