老虎残夢 [book] [江戸川乱歩賞]
桃野雑派/講談社/お薦め度 ★★★★
江戸川乱歩賞受賞作
武侠ミステリー、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公にした、であり孤島ミステリーでもある。
蒼紫苑は武術家の梁泰隆に拝師して十八年、日夜研鑚したにもかかわらず奥義を継承することは叶わず、名だたる三人の武侠から一人を選び、奥義を授ける、と言われる。
泰隆には恋華という十八歳の養女、金国の役人に家族を殺された、がおり、食事の世話などをさせている。
屋敷はハ仙島にあったが、泰隆は湖上の楼閣の道場で寝泊まりをしている。
三人の武侠が八仙島にやってくることで事件は起きる。小宴会の翌朝、孤島で毒を飲まされ、ヒ首で刺された泰隆の死体が発見される。
犯人は五名の中のひとり、弟子として師父の謎の死を解明するため紫苑が立ちあがる。
限定された中での犯人探しは行きつ戻りつ、五人の動機が検証されていく。ネタばれになるのでこれ以上言えないが、泰隆の永年にわたる密かな謀、老虎残夢、が事件の裏に潜んでいた・・・
紫苑と恋華の同性恋愛、三人の武侠と泰隆の関係、泰隆の紫苑に対する思い・・・がすべて最後に丸く収まる結末はいかがなものか!?
2021-12-21 15:04
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