闇に香る嘘 [book] [江戸川乱歩賞]
下村敦史/講談社/お薦め度 ★★★★
第60回江戸川乱歩賞受賞作
村上和久は全盲の視覚障害者、孫娘に腎臓を移植しようと検査を受けるが、結果は不適格。娘はすでに腎臓の片方を提供しているため、頼みの綱は兄の竜彦だった。
岩手の実家に母と住む兄、腎臓移植を頼むが、検査さえも拒否されてしまう。
兄の態度に違和感を覚える和久。兄は中国残留孤児、永住帰国を果たした時、和久は既に失明、兄の顔を確認することは出来なかった。兄は偽者?
視覚障害をおして、北海道、岩手、京都と真実を求め歩く和久。果たして兄の正体は・・・
視覚障害、69歳、娘と離れ独り暮らし・・・すべての苛立たしさが真実を曇らせる。
前半の伏線を後半ひとつひとつつぶすことで真実が見えるさまは、まさにミステリー!
追伸:江戸川乱歩賞作家と言えども二作、三作となかなか続かない。今回は期待出来そうな新人!?
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