緋色の十字章 [book] [マーティン・ウォーカー]
マーティン・ウォーカー/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
警察署長ブルーノ・シリーズ第一弾
時間がゆっくり流れるフランス片田舎、ラスコーの洞窟壁画が位置する、そこの警察署長・ブルーノ、就任8年目にして初めての殺人事件。
被害者の老人は腹を引き裂かれ、胸にナチスの鍵十字を刻まれていた。指揮を執るのはブルーノではなく国家警察、ブルーノと村長は村をまもることを最優先に捜査に協力する。
そんな折、村の医者の息子と恋人が薬物所持で逮捕され、予審判事までが村にやってくることに。ふたつの事件の関連性は!?
ブルーノと村民、ゲストハウスの経営者、そこを訪れている歴史家、国家警察の美人刑事官・・・まわりを取り囲む人間模様がゆったりと流れる時間と相まって魅力的に映る。特に刑事官との恋愛の行方が気になる。
事件の背景にはイデオロギー的な問題が含まれているが、ラストのセリフが実にいい。次作も用意され愉しみなシリーズになりそうだ。
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