氷の天使 [book] [キャロル・オコンネル]
キャロル・オコンネル/東京創元社/お薦め度★★★★★
「魔術師の夜」にすっかりはまってしまい、シリーズ第一弾の本書を手にすることになりました。なんとも魅力的な主人公、マロリー!
いきなり、養父ルイ・マーコヴィッツの殺害現場に勝手に立会うマロリー。養父の死に涙を流すこともなく、淡々と仕事をこなす。
なんともクールでカッコいいハリウッド的イントロ!?
義父マーコヴィッツ、重大犯罪課警視、が追っていた事件は裕福な老女ばかりを狙う連続殺人犯、事件に関与することを禁じられるマロリーだが、そんなことはおかまいなし、独自の捜査を開始する。
今までに見たことのないマロリーの人物設定が魅力的。荒んだ過去をもつ少女、14歳でマーコヴィッツのもとに引き取られ、妻、ヘレンの暖かさの中で生き返えり、ハッキング以外の盗みから手を引き、養父と同じ職業を選択する、現在25歳、尾行には不向きな美貌と明晰な頭脳・・・本書の成功要因のひとつに違いない。
最新刊「魔術師の夜」の中に出てくる著名なマジシャン、マックス・キャンドルを第一弾から登場させるということは、著者の中にはシリーズ化されたものが最初からあったということ。なんとも凄い!
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