イニシエーション・ラブ [book] [~'23 国内編]
乾くるみ/原書房/お薦め度 ★★★★☆
鈴木辰也(たっくん)、鈴木夕樹(カタカナの「タ」に見えるから「タキ」で、たっくん)。A面、B面。これ以上のヒントは・・・
恋愛小説がミステリーがブラックユーモアに変身するたのしい一冊。それにしても人間の思い込みとは恐ろしいものだ。最近の好例として、歌野晶午/「葉桜の季節に君を想うということ」、綾辻行人/「暗黒館の殺人」などがあげられる。
しかし、この手の小説は最後の一行を読み終えて、「しまった!だまされた!」というネタワレがわからないと評価は半減してしまう。読者の一方的な思い込みを利用して、書き手も筆を進めているはず。
そういう意味では、恋愛小説の形をとったのは大成功。物語がシンプルであればあるほど、地団太を踏む読者が多くなるはず・・・!?
追伸:最新刊「リピート」より本書に軍配を上げたい。この路線でもう一冊読んでみたいものだ。
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