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それまでの明日 [book] [原尞]

sample1.jpg原尞/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第六弾

「このミス・・・」2019年版第一位

沢崎を訪ねたのは紳士然とした男、<ミレニアム・ファイナンス>新宿支店支店長の名刺を出し、探偵料を前払いした。依頼事項は赤坂の老舗料亭の女将の身辺調査・・・

沢崎一流の調査方法であっさりと判明。対象者の女将は亡くなっており、現在は妹が女将を継いでいた。その辺の事情も聞き出し、依頼人に連絡をとったもののつながらない。

最後の手段?として<ミレニアム・ファイナンス>へ依頼人を訪ねたところ、運悪く強盗に遭遇してしまう始末。おまけに依頼人の支店長は忽然と姿を消してしまっていた。

ローレンス・ブロックの泥棒探偵・バーニイ・シリーズを彷彿させる洒脱さはシリーズ最高!?

周回遅れの一冊でしたが、充分に愉しめました。

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冷笑 [book] [~'23海外編]

sample174.jpgリンダ・フェアスタイン/早川書房/お薦め度 ★★★★

シリーズ第三弾

「誤殺」、「絶叫」、「冷笑」・・・性犯罪と戦う女性検事補アレックス・シリーズ

マンハッタン島の岬で、梯子にくくりつけられ、性的暴行を受けた女性の死体が浮かびあがる。被害者はキャクストン画廊の経営者、デニーズ。夫、ローウェルも大物画家のコレクター。デニーズはローウェルの三人目の妻、現在離婚調停中。

それに芳しくない共同経営者。デニーズと交際中の骨董商と建築家・・・何とも胡散臭い舞台設定。

アレックスはお馴染みのチャップマン、ウォーレスと共に真相を追う。

本章の大事な構成要素の絵画にまつわる題材、ニューヨークの美術館、修復・鑑定・贋作・・・、はなかなか寄り道?としてはおもしろい。

第三作ともなると、落ち着いた筆の運びで楽しませてくれる。またまた次作の用意もあるようなんので期待したい。

2003/03


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生者と死者に告ぐ [book] [ネレ・ノイハウス]

sample1.jpgネレ・ノイハウス/東京創元社/お薦め度 ★★★★

刑事オリヴァー&ピア・シリーズ第七弾

犬を連れ散歩中の女性がライフルで・・・続いて、ダイニングに立っていた女性が窓の外から頭部を遠距離からライフルで・・・またまた、今度は若い男性が今度は心臓をライフルで・・・

警察署に”仕置き人”から死亡告知が届く。それをたどると三人が、脳出血で死んだ女性を介してつながっていた。最初に射殺された女性は娘が脳出血で死んだ女性の救護を怠り死なせた、と。

二番目の被害者の女性は著名な心臓外科医の妻。その心臓外科医は脳溢血で死んだ女性の心臓を三番目の射殺された男性に移植したのだった。

心臓移植というキーワードでつながった三人だったが、遅々として捜査は進まない。バカンスにでかけるはずだったピアは休暇を取りやめ捜査にあたる。

一時の大スランプ、ダメ男を返上した、を脱したオリヴァーだったが、ピアと捜査に当たれることで一安心!?

臓器移植、腕利きのスナイパー、三人に関係したたくさんの登場人物が物語をより複雑にしている。600頁超を飽きさせず読ませるネレ・ノイハウスは筆力はさすがだ。

脂の乗ったシリーズ第七弾、一読に値します!


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2019年ベストミステリー 国内編 [~'22ベストミステリー]

年間「国内編ベスト8」


sample1.jpg第一位 「ノースライト」/横山秀夫/新潮社 


sample1.jpg第二位 「殺人鬼がもう一人」/若竹七海/光文社 


sample1.jpg第三位 「魔眼の匣の殺人」/今村昌弘/東京創元社 


sample1.jpg第四位 「マーダーズ」/長浦京/講談社 


sample1.jpg第五位 「Iの悲劇」/米澤穂信/文藝春秋 


sample1.jpg第六位 「本と鍵の季節」/米澤穂信/集英社 


sample1.jpg第七位 「昨日がなければ明日もない」/宮部みゆき/文藝春秋 


sample1.jpg第八位 「いけない」/道尾秀介/文藝春秋



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2019年ベストミステリー 海外編 [~'22ベストミステリー]

年間「海外編ベスト10」


sample1.jpg第一位 「メインテーマは殺人」/アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社


sample5.jpg第二位 「カルカッタの殺人」/アピール・ムカジー/早川書房


sample1.jpg第三位 「ネプチューンの影」/フレッド・ヴァルガス/東京創元社


sample5.jpg第四位 「ブルーバード、ブルーバード」/アッティカ・ロック/早川書房


sample1.jpg第五位 「沼の王の娘」/カレン・ディオンヌ/ハーパーBOOKS


sample1.jpg第六位 「刑罰」/フェルディナント・フォン・シーラッハ/東京創元社


sample1.jpg第七位 「炎の色」/ピエール・ルメートル/早川書房


sample1.jpg第八位 「贖罪の街」/マイクル・コナリー/講談社


sample1.jpg第九位 「危険な弁護士」/ジョン・グリシャム/新潮社


sample1.jpg第十位 「ザ・プロフェサー」/ロバート・ベイリー/小学館


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ディオゲネス変奏曲 [book] [陳浩基]

sample5.jpg陳浩基/早川書房/お薦め度 ★★★★

自薦短編集

「世界を売った男」で島田荘司賞、「13・67」で翻訳ミステリー大賞読者賞を受賞。香港のミステリー作家、SF作家、ホラー作家・・・多才な作家。

本書はその多才な作品を網羅した短編集。

17編?収録の中に、「阿刀田高」を思い起こさせる作品が数編あるように思える。ミステリーの枠を超えた、ブラック・ユーモア、短編集。


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ネプチューンの影 [book] [フレッド・ヴァルガス]

sample1.jpgフレッド・ヴァルガス/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

警察署長アダムスベルグ・シリーズ第三弾

若い女性の刺殺死体、腹部には一直線に並んだ三つの穴、あたかも海神ネプチューンの三叉槍を突き刺したような・・・

30年前、弟を失うはめになった?事件に酷似している。

アダムスベルグは一連の事件を14年間追い続けてきた。容疑者は高名な判事なのだが、アダムスベグの網からいつもするりと抜けていった。

いままで抱いていた思いを再度強くしながら、カナダへ研修のため旅立つアダムスベルグたち。そのカナダでも三叉槍で刺殺された死体が・・・しかもアダムスベルグがかかわりを持った若い女だった。

泥酔で記憶を失ったアダムスベルグ、そのことが事件を複雑にする。

独断と偏見に満ちたユニークな?警察署長、その彼に手を貸す部下、ふたりの老女、ひとりは名うてのハッカー、カナダ王立警察の主任部長の部下・・・脇役に支えながら自信を取り戻し、犯人を追いつめるアダムスベルグ。

結末には「荒技」が用いられているが、アダムスベルグ以外では絶対に許されない。

さすが、フレンチ・ミステリーの女王!

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