悪魔はいつもそこに [book] [~'23海外編]
ドナルド・レイ・ポロック/新潮社/お薦め度 ★★★★
ノワール
狂信的な父親のトラウマを抱える息子アーヴィン、説教師と従弟、欲望にまみれた牧師、殺人鬼夫婦、悪徳保安官らが引き起こす暴力の連鎖。連鎖の群像劇。
真っ黒なノワール、暗黒小説。
杉江松恋曰く、ノワールとは中毒者のための小説である。何に。自分の魂に。願望が、欲望が肥大しすぎて他のものが見えなくなった人間は、自分自身であることのみに執着するようになる。一つの道筋を歩くこと以外には何も求めなくなり、やがてはそれ以外のすべてを憎み、世界から消し去ろうとするようになる。
みなさんへのお薦め度は★★★☆だが、ジム・トンプスンのファンとしては★★★★。
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