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どこよりも冷たいところ [book] [S・J・ローザン]

sample99.JPGS・J・ローザン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ 

アンソニー賞最優秀長編賞受賞作

はじめは些細なことだった。建設現場ではそう珍しくない。工具が消えたり、配達品の数が不足したり。それからまもなくフロントローダーが盗まれた。

目を配り出したら好まざる人物がいるのに気づいた。ジョー・ロメオというやつで、レンガ工事の班長をしている。何やらうさん臭い商売に手を出してるんじゃないかと、クロウェル親子は疑っている。

わたしをレンガ工として現場に送り込んだのは、チャック・デマティスである。デマティスは元警察官で、退職して四年ほど経つ。退職した日に探偵免許を手に入れた。

クレーン操作係が失踪するという事件に続き、作業員のひとりが意識不明の重体に・・・更に死体が発見されるはめに。

こよなくピアノを愛する探偵、ビル・スミスが事件の奥底にあるものを探り始める。

物語にしても、主人公にしても、主人公を取り巻く人間関係にしても派手さがあるわけではない。その淡々とした語り口、淡々とした人物造形が心地いい一冊。不思議な探偵小説である。

2002/09

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