レッド・スパロー [book] [~'23海外編]
ジェイソン・マシューズ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
MWA賞処女長編賞受賞作
たぐい稀な美貌と知性の持ち主、ドミニカ。バレリーナを志すも同僚の反感を買い足を骨折させられる。追い打ちをかけるように大学教授である父の急死。残された母、ヴァイオリニストの夢を断たれた、を養うため、SVR、ロシア対外情報庁、の高官、叔父でもある、を頼るしかないドミニカ。
叔父の策略にまんまと嵌められたドミニカはSVR入り後、ハニートラップ要員の訓練学校、スパロー・スクールへに送り込まれる。
やがてフィンランドで、ロシアでCIAスパイのケースオフィサーをしていたネイト、間一髪で危機を逃れフィンランド支局に拾われたネイトを誘惑、CIAのスパイを暴き出すミッションが下る。
ネイトとドミニカ、お互いを寝返らせる駆け引きが始まる。しかし、ドミニカの心の底に渦巻くロシアの旧体制に対する不信感が、自身をしてCIAのスパイとなることを決断する。その後押しをしたのは現SVRの上司でありCIAのスパイの高官だった。
ここから奇想天外な作戦が展開される。ドミニカが現上司をロシアへ売り、ドミニカがSVRの高官として、CIAのスパイとして後釜に座るというものだった。
禁を犯し恋人同士になる二人、ミッションとの狭間で揺れる結末とは・・・
元CIAの諜報員だった作者の経験が如何なく発揮されている鮮烈のデビュー作。昨年読み逃した大魚です!
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