ウィチャリー家の女 [book] [海外ミステリー遺産]
ロス・マクドナルド/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
海外ミステリー遺産
1961年刊、探偵リュウ・アーチャー・シリーズ、「戦後アメリカ社会の軋み」!?
表題の通り、富豪ウィチャリー家の女、前妻キャサリン、娘フィーベ、と夫であり父親であるホーマーの物語。
行方不明の娘の捜索を依頼されるアーチャー、船旅に出る船室でもめ事を起こすキャサリンとホーマー。見送りに来たフィーベはキャサリンと一緒に下船、タクシーに同乗、途中で別れる。そこからフィーベの足どりは消えてなくなる。
依頼主ホーマーの態度に違和感を覚えながら捜索にあたるアーチャー。そんな折、キャサリンの売り出し中の家で不動産屋が死んでいる現場に遭遇、キャサリンを探し出しことに主眼を置くアーチャー。
困難の末、キャサリンにたどり着き話を聞くのだが、何者かに殴られ、昏倒、キャサリンを見失う。
フィーベの失踪の鍵を握ると思われるキャサリン、彼女と娘、彼女と元夫、元夫と娘、三人の関係に陰を落とす男女の憎愛劇と金銭・・・フィーベの思いこみと人間入替トリックがミスリードを呼び、事件はもつれにもつれていく。
もうひとりのウィチャリー家の女が事件の根底に・・・
淡々と職務をこなすクールなアーチャー、アーチャーを演じたポール・ニューマン、「動く標的」、はぴったり!
コメント 0