一千兆円の身代金 [book]

八木圭一/宝島社/お薦め度 ★★★★

「このミス」大賞受賞作

元副総理の孫、小学五年生、が下校途中に誘拐される。犯人の要求は日本政府に対して二つ、日本政府に？

一つ目は身代金として１０８５兆円、この額は我が国の財政赤字額。これが受け入れられない場合、財政赤字に陥ったことを国民に公式謝罪し、具体的な再建策の提示、実施するまで消費増税、議員賞与の凍結を確約すること。

前代未聞の要求、犯人は財政規律派？

インパクトの強い導入部に「あっぱれ！」。誘拐事件といえば犯人vs警察の構図が普通だが、これだけ大きな命題が与えられたとなると、犯人vs警察の追いつ追われつの展開より、要求に対して作者の用意する結末に興味津々となるのは已むを得まい！？

作者の用意した結末のひとつ、「ボクが９歳で革命家になった理由」（原題）、はいいとしても、もうひとつの三島由紀夫事件的なものはちょっと残念！

もっともっと荒唐無稽、前代未聞、破天荒、ユニーク・・・な結末を読みたかった。

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